盛岡には「さわや書店」という本屋さんのチェーンがあります。書店業界では有名な店です。
残念ながら本店は元日休業ということで、駅ビル内のフェザン店を訪れてみました。
まず、店前のポップに目を引かれて足を止めるお客さんが多々見受けられますね。店前の通路では新書の数々がプッシュされています。そして『てくり』(盛岡のミニコミ誌)のバックナンバーが並び、さらには充実した郷土本コーナーが目立ちます。
店前の展開としてはやや珍しい構成といえそうですね。
この郷土本の棚は「岩手の先人」や「平泉」などテーマ別の仕切りで分類されています。ちなみにこの棚の裏側には宮沢賢治や柳田国男の著作が用意されていますよ。
大雑把に把握すると、店の左半分はコミック・文庫・文具などの売場、右半分は文芸・雑誌・趣味実用・児童書などの売場となっています。レジは左右にそれぞれひとつ、背中合わせのように位置してますね。
新刊コミックには発売日を記入した紙を貼りつけてある親切設定。文庫は出版社別分類ですが、東野圭吾は一箇所に全ての版元がかためてありました。注目したのは時代小説の文庫棚で、仕切りにシリーズの解説などが盛り込まれており、ファンが楽しんで通いそうな一角となってましたよ。
右側の一番奥は児童書売場で、その隣は趣味実用と女性の本が並びます。親子連れのお客さんへの配慮から決められた配置でしょうか。
趣味実用・雑誌ときて、レジおよび入口に近いところに文芸コーナーがあります。本の本も文芸コーナーにあり、本好きな人たちの気配が感じられそうな雰囲気です。
レジの裏側には「酒と芸術文化」的なラインナップの棚が隠れています。ここはもともとは郷土本のコーナーだったようです。郷土本のコーナーは拡充して店前に移動したのですね。
この芸術文化の棚に接続するように人文棚があります。「〜はどうなる?」と銘打たれた仕切りでテーマ別に展開された、いわゆる文脈棚。面白い知的冒険でありつつも、売上と両立させるのが難しいところでしょうけど、そこが腕の見せ所かもしれません。隣同士に並んだ本の関連を考えるのも楽しいものです。
人文と文芸の間にはビジネス棚があり、資格書は突き当たりの壁一面にあります。
そして避けて通れないのが震災との対峙ですね。郷土本が充実していることとも関連するのでしょうけど、岩手の書店としてできることを続けているようです。
<碧野圭さんのリポート>
http://aonokei.cocolog-nifty.com/syoten/2011/07/no109-8c6f.html
駅ビル内の書店としてはやや異色の、業界でも注目される店のひとつ。でも業界の評判よりも、地元のお客さんに愛されることの方が大事なのでしょうね。
◆店舗情報
【さわや書店フェザン店】
住所:盛岡市盛岡駅前通1-44 盛岡駅ビル・フェザン南館1F
電話:019-625-6311
営業時間9:00〜21:00
https://twitter.com/SAWAYA_fezan
◆関連サイト
【空犬通信 さわや書店フェザン店に圧倒されっぱなし……盛岡書店レポート その1】
http://sorainutsushin.blog60.fc2.com/blog-entry-2005.html
【NR出版会連載企画 書店員の仕事 特別編 東北発7】
これからも「町の書店」として
http://www006.upp.so-net.ne.jp/Nrs/memorensai_26.html
【『今こそ被災地に想いを!2』発表!盛岡のさわや書店フェザン店が熱すぎる!リターンズ 】
http://togetter.com/li/402886
【天狼院書店 北の仕掛人 さわや書店フェザン店《書店をゆく》】
http://tenro-in.com/blog/syoten/248
【本屋回遊記 さわや書店フェザン店】
http://bookslob.exblog.jp/6921939/
2013年01月15日
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