(続き)
次に「V.自分を見失って‐よくばりすぎはよくないはなし」のテーマで紹介されたもの。
『せかいいちおおきなうち』より 1968年 色鉛筆、鉛筆、他・紙
「世界でいちばん大きなうちがほしい!」と夢想するかたつむりのこども。
そこでかたつむりのお父さんがこどもにある話をします。
世界一大きなうちを持ったかたつむりが、その後どうなったのかという話を。
『みどりのしっぽのねずみ』より 1973年 油彩・ボード
町からやってきた町ねずみからお祭りの話を聞いた野ねずみたち。
自分たちもやってみようと、仮面をつけてお祭りを始めると、たいへんなことに…
『シオドアとものいうきのこ』より 1971年 コラージュ、他・紙
何も自慢できることのない臆病ねずみのシオドアが、不思議な音を出す青いきのこを発見します。
シオドアは「全ての動物の中でネズミが一番偉い」とキノコが言っている、と仲間にウソをつき、
仲間のトカゲやカメやカエルに王様のように扱われるように。でもその後…
そして『平行植物』に登場する植物画数点がここで紹介されていました。
最後に「W.知恵と勇気‐小さなかしこいゆう者たちのはなし」のテーマで紹介されたもの。
「知恵と勇気」で連想するのはやっぱり『スイミー』ですよね。
絵本原画はありませんでしたが、魚を描いた習作と、スイミーの映像コーナーが用意されていました。
『あいうえおのき』より 1968年 水彩、他・紙
確か今江祥智さんが、この絵本の内容についてはやや厳しめの批評をしていたような…
スタンプの技法は面白いと思います。
文字たちの暮らす木がありました。ある日、強い風が文字たちをふきとばしてしまいます。
文字たちは協力して、ある言葉をつづることにします。
『ひとあしひとあし』より 1960年 水彩、パステル、コラージュ・紙
尺取虫は、自分の体を使っていろいろな鳥の寸法をはかってあげます。
でも、いじわるなナイチンゲールに難題をふっかっけられます。そこで尺取虫は…
『どうするティリー?』より 1989年 インク、クレヨン、コラージュ、他・紙
高い壁の向こう側が気になるねずみのティリー。どうすれば壁を越えることができるのか?
この話のバックグラウンドにはベルリンの壁崩壊という出来事があります。
『マックマウスさん』より 1992年 コラージュ、他・紙
町ねずみのティモシーは突然人間のような姿に変身してしまいます。
町から逃げ出した先で出会った野ねずみたちの仲間になるため、テストを受けますが…
***************************************
はい、じっくりタンノウしました。
絵本は印刷されたものですから、コラージュの質感などがわかって面白かったですね。
それぞれの作品に使われた技法や画材も興味深いものです。
そしてやっぱり、ミュージアムショップが大盛況でした。
あふれそうな物欲を抑え、「フレデリック」のマグカップだけ購入しましたよ。
◆展覧会情報
【レオ・レオニ 絵本のしごと】
会場:Bunkamura ザ・ミュージアム
会期:2013年6月22日(土)〜8月4日(日)
時間:10:00〜19:00(金・土は〜21:00)
http://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/13_lionni/
2013年07月31日
2013年07月30日
「レオ・レオニ 絵本のしごと」(その1)
「Bunkamura ザ・ミュージアム」で開催中の「レオ・レオニ 絵本のしごと」を観てきました。
平日の午前中にもかかわらず、かなり混みあってました。うそーん。
客層はやはりお子様連れのお母さまと、女性の姿が多かったように思います。
母が保育所関係の仕事をしていたため、昔からうちには絵本がたくさんありました。
その中でもレオ・レオニの絵本はお気に入りでした。
そんな人たちが会場に足を運んでいるのでしょうね。
レオ・レオニといえば、一般的には『スイミー』のイメージでしょうか。
光村図書出版の国語の教科書にのってますよね。
小学2年生のみんなの脳裏に焼きついて、その記憶がずーっと残るんですね。
個人的にはレオ・レオニの生み出すネズミたちに惹かれるように思います。
なにしろねずみ年生まれですし?
今回、絵本原画などの作品が4つの大きなテーマに分けられて展示されました。
T.個性を生かして
U.自分は自分
V.自分を見失って
W.知恵と勇気
まずは「T.個性を生かして‐ちょっぴりかわり者のはなし」のテーマで紹介されたもの。
『フレデリック』より 1967年 パステル、コラージュ、他・紙
これがいちばん好きな絵本作品かもしれません。子供心に「いいなあ」と思ったものです。
原画は切り絵のコラージュなんですよね。
『おんがくねずみジェラルディン』より 1979年 色鉛筆、鉛筆、他・紙
大きなチーズのかたまりをみつけたジェラルディン。
仲間を集めてチーズをあげていると、しだいに中からねずみの像が姿を現します。
そして像はそれまで音楽を知らなかったねずみたちにフルートの演奏を聴かせます。
やがてその像を食べなくてはならない事態になるものの…
音楽を知ったねずみの話ですね。
『マシューのゆめ』より 1991年 鉛筆、水彩、コラージュ・紙
美術館を訪れたことをきっかけに芸術家になることを志すねずみ・マシューの話。
レオニ自身の話でもあります。
『コーネリアス』より 1983年 水彩、パステル、コラージュ・紙
ワニのコーネリアスは、猿から教わって逆立ちしたり木にぶらさがったりできるように。
彼は得意気ですが、仲間たちは関心のない様子。でも本当は…
『チコときんいろのつばさ』より 1964年 テンペラ、他・紙
古い作品ですが、邦訳の本は比較的新しく、2008年の出版です。
作者のインドへの思いがこめられているといわれます。
まだコラージュの作風は確立されておらず、テンペラで描かれていますね。
次に「U.自分は自分‐みんなとちがうことは すばらしいこと」で紹介されたもの。
『アレクサンダとぜんまいねずみ』より 1969年 コラージュ、他・紙
子供たちに愛されるおもちゃのぜんまいねずみをうらやむアレクサンダ。
ところがある日、ぜんまいねずみは捨てられ…
アレクサンダは奔走し、ある願いをかなえてもらいます。
これも好きな絵本作品です。千代紙のコラージュも面白いですね。
『じぶんだけのいろ』絵本習作 1975年 水彩、コラージュ・紙
環境で体の色が変わってしまうカメレオンには悩みがありました。
みんなには自分の色があるのに…
関連して、ブロンズの「ざくろの上のカメレオン」(制作年代不詳)も展示されていましたよ。
『さかなはさかな』より 1970年 色鉛筆、オイルスティック・ボード
蛙の話を聞いて外の世界を見てみたくなり、池を飛び出してしまったさかながたいへんなことに…
『ぺツェッティーノ』より 1975年 クレヨン、コラージュ、他・紙
「僕は、きっと誰かの部品に違いない」
ペツェッティーノは自分が誰の部品なのか、確かめ歩きます。
話の内容はシルヴァスタインの『ぼくを探しに』に近いかもしれません。
色のキューブで、部品と、部品の集まりとが表現されてますね。
『びっくりたまご』より 1994年 インク、オイルパステル、石墨、コラージュ・ボード
石ころ島に住んでいるかえるのジェシカ。
にわとりの卵だと思って持ち帰ってきたものの、生まれてきたのは…
このコーナーには『はまべにはいしがいっぱい』の石の絵なども展示されました。
「空海に捧ぐ」「アスファルトのチュウイングガム」なんて作品もありましたよ。
(その2に続きます)
◆展覧会情報
【レオ・レオニ 絵本のしごと】
会場:Bunkamura ザ・ミュージアム
会期:2013年6月22日(土)〜8月4日(日)
時間:10:00〜19:00(金・土は〜21:00)
http://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/13_lionni/
平日の午前中にもかかわらず、かなり混みあってました。うそーん。
客層はやはりお子様連れのお母さまと、女性の姿が多かったように思います。
母が保育所関係の仕事をしていたため、昔からうちには絵本がたくさんありました。
その中でもレオ・レオニの絵本はお気に入りでした。
そんな人たちが会場に足を運んでいるのでしょうね。
レオ・レオニといえば、一般的には『スイミー』のイメージでしょうか。
光村図書出版の国語の教科書にのってますよね。
小学2年生のみんなの脳裏に焼きついて、その記憶がずーっと残るんですね。
個人的にはレオ・レオニの生み出すネズミたちに惹かれるように思います。
なにしろねずみ年生まれですし?
今回、絵本原画などの作品が4つの大きなテーマに分けられて展示されました。
T.個性を生かして
U.自分は自分
V.自分を見失って
W.知恵と勇気
まずは「T.個性を生かして‐ちょっぴりかわり者のはなし」のテーマで紹介されたもの。
『フレデリック』より 1967年 パステル、コラージュ、他・紙
これがいちばん好きな絵本作品かもしれません。子供心に「いいなあ」と思ったものです。
原画は切り絵のコラージュなんですよね。
『おんがくねずみジェラルディン』より 1979年 色鉛筆、鉛筆、他・紙
大きなチーズのかたまりをみつけたジェラルディン。
仲間を集めてチーズをあげていると、しだいに中からねずみの像が姿を現します。
そして像はそれまで音楽を知らなかったねずみたちにフルートの演奏を聴かせます。
やがてその像を食べなくてはならない事態になるものの…
音楽を知ったねずみの話ですね。
『マシューのゆめ』より 1991年 鉛筆、水彩、コラージュ・紙
美術館を訪れたことをきっかけに芸術家になることを志すねずみ・マシューの話。
レオニ自身の話でもあります。
『コーネリアス』より 1983年 水彩、パステル、コラージュ・紙
ワニのコーネリアスは、猿から教わって逆立ちしたり木にぶらさがったりできるように。
彼は得意気ですが、仲間たちは関心のない様子。でも本当は…
『チコときんいろのつばさ』より 1964年 テンペラ、他・紙
古い作品ですが、邦訳の本は比較的新しく、2008年の出版です。
作者のインドへの思いがこめられているといわれます。
まだコラージュの作風は確立されておらず、テンペラで描かれていますね。
次に「U.自分は自分‐みんなとちがうことは すばらしいこと」で紹介されたもの。
『アレクサンダとぜんまいねずみ』より 1969年 コラージュ、他・紙
子供たちに愛されるおもちゃのぜんまいねずみをうらやむアレクサンダ。
ところがある日、ぜんまいねずみは捨てられ…
アレクサンダは奔走し、ある願いをかなえてもらいます。
これも好きな絵本作品です。千代紙のコラージュも面白いですね。
『じぶんだけのいろ』絵本習作 1975年 水彩、コラージュ・紙
環境で体の色が変わってしまうカメレオンには悩みがありました。
みんなには自分の色があるのに…
関連して、ブロンズの「ざくろの上のカメレオン」(制作年代不詳)も展示されていましたよ。
『さかなはさかな』より 1970年 色鉛筆、オイルスティック・ボード
蛙の話を聞いて外の世界を見てみたくなり、池を飛び出してしまったさかながたいへんなことに…
『ぺツェッティーノ』より 1975年 クレヨン、コラージュ、他・紙
「僕は、きっと誰かの部品に違いない」
ペツェッティーノは自分が誰の部品なのか、確かめ歩きます。
話の内容はシルヴァスタインの『ぼくを探しに』に近いかもしれません。
色のキューブで、部品と、部品の集まりとが表現されてますね。
『びっくりたまご』より 1994年 インク、オイルパステル、石墨、コラージュ・ボード
石ころ島に住んでいるかえるのジェシカ。
にわとりの卵だと思って持ち帰ってきたものの、生まれてきたのは…
このコーナーには『はまべにはいしがいっぱい』の石の絵なども展示されました。
「空海に捧ぐ」「アスファルトのチュウイングガム」なんて作品もありましたよ。
(その2に続きます)
◆展覧会情報
【レオ・レオニ 絵本のしごと】
会場:Bunkamura ザ・ミュージアム
会期:2013年6月22日(土)〜8月4日(日)
時間:10:00〜19:00(金・土は〜21:00)
http://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/13_lionni/